中国語の原書300冊読破を目指して、ただいま多読実践中!私が読んだ原書を紹介します。
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海岩の「平淡生活」
これは実話です。
何か面白い小説を書いてくれないか、とのオファーを受けた海岩が、色々な人に会って、小説を書くヒントを探す過程で会ったのが「优优」でした。2人が初めて会ったのが北京にある「平淡生活」というバー。小説の題名もこれに由来しています。
「平淡生活」は优优の10代から20代はじめまで、彼女が経験したことを実話として書いています。
一目ぼれでは言い尽くせない、幻想かと思わせるほど、一途な优优の恋物語から始まります。
14歳の時、优优は姉がアルバイトをするボクシングジムである少年に一目ぼれをします。
优优は後に、その少年を追って、故郷を離れ、北京へやってきます。一言も言葉を交わしたことのない少年に、一言お礼を言うために。しかし、彼はなんと職務中の事故で、頭を打たれ、記憶喪失になってしまっていました。
そこで优优は彼の身の回りの世話を、病院に住み込みですることを申し出ます。
数ヵ月後、少年は奇跡的に記憶を取り戻す・・・・のですが、ここからストーリーはどんどん思わぬ方向へ進んでいきます。
ボクサーへの一目ぼれ、自分を知らない少年を追って北京へ、少年は記憶喪失、自分は保姆として世話をする・・・・・これだけでもそうそう考えられない事なのですが、これより後に起こる出来事にさらに驚き、読むスピードを落とすことはできませんでした。
これが実話なのか、と疑いたくなるほど壮絶でした。
海岩が初めて优优に会ったのは北京。ということは、すでに优优の物語は始まっています。
北京へやってくるまでの事は优优が海岩に語ったことですが、その後のことは、海岩と优优の交流を交え、物語が展開していきます。
私はこの作品にすっかり引き込まれてしまったのですが、読んでいる間、ある疑問を海岩に感じました。
それが当事者である(优优と近い距離で現実を目の当たりにしている)ゆえに、そのように思わせるのか、
あるいは海岩の性格、人格が読者にそう思わせるのか、わかりませんが、非常に疑問に思うことがありました。
海岩ほど、色々な小説を書いていて、知識も深遠であろう人物が、なぜ、この謎に気がつかなかったのだろう、なぜ、タイムリーに优优を助けられなかったのだろう、ということが1点。
もう1点は、小説の題材のために、优优は未だ誰にも、親友にさえも語ったことのない秘密を海岩に語ってきているわけですが、それを考慮しても、海岩が彼女を信じ切れていなかったこと。
それが当事者であるため、とも完全には言い切れないと思うのです。なぜなら、优优を救った人物が同様に当事者の中にいるからです。
ネタばれになるので細かくは書けませんが、なぜ海岩が完全に优优を信じられなかったかが不思議です。
小説のラストと、私の疑問がリンクするような気もします。
とても面白い作品ですが、後に残るものもあります。
後味が悪いわけではなく、优优のその後、今が気になるのです。
この小説はドラマ化もされているようです。果たして优优は、本にドラマになった自分を知っているのでしょうか。
彼女のその後が非常に気になりますが、そっとしてあげたい、穏やかな生活を送ってほしい、とも思います。
ご興味ある方は、ドラマの前に是非、原書を読んでくださいね。
経験上、ドラマ・映画を見てから原書を読むと、楽しみが半減どころか大減してしまいます。
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平淡生活
海岩 著
254ページ
36万字
難易度:★★★☆☆
面白度:★★★★★
病みつき度:★★★★★
後に残る度:★★★★☆
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平淡生活の読書記録:2011/6/18-6/25
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♥ Re:今度読んでみます
はじめまして!コメントありがとうございます。
音声があるのですね。私も是非聴いてみようと思います。
一場風花雪月的事は私も読んでみたいのですが、内山書店にはありませんでした。海岩の作品は全て読む予定ですので、いずれ読んでみますね(^^)
音声があるのですね。私も是非聴いてみようと思います。
一場風花雪月的事は私も読んでみたいのですが、内山書店にはありませんでした。海岩の作品は全て読む予定ですので、いずれ読んでみますね(^^)
♥ Re:海岩
りゅーさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
玉観音のドラマ、私も見ました!これは面白いですよね。特に後半の展開に目を話せませんでした。ドラマ見ちゃったので、小説はどうしよう?と考え中です。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
はじめまして。コメントありがとうございます。
玉観音のドラマ、私も見ました!これは面白いですよね。特に後半の展開に目を話せませんでした。ドラマ見ちゃったので、小説はどうしよう?と考え中です。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
♠ はじめまして!
いつも拝見しています。私も中国語の原書を読みたいと思っているのですが、いつもどこで購入されていますか?
オススメ書店、サイトなどありましたら教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします!
オススメ書店、サイトなどありましたら教えていただけますでしょうか。よろしくお願いします!
♥ Re:はじめまして!
Mioさん
はじめまして。コメントありがとうございます。いつも見てくださってうれしいです。
私は日本では、神保町の内山書店と東方書店で買っています。
http://www.uchiyama-shoten.co.jp/
http://www.toho-shoten.co.jp/
書店での品揃えは内山書店の方が、小説は特に充実していると思います。
読破レースを開始してから読んだ本のほとんどは、去年の9月に上海へ行って買ってきたものです。24冊まとめ買いしました。やはり、現地の方がタイムリーにベストセラーも出ますので、定期的に買いに行くのがいいのかな、と思います。でも金銭的に厳しくて私はできていません。
最近は内山書店で買うことが多いです。中国語の原書を扱うサイトもあるようなのですが、私は使ったことがないのです。もし良いところありましたら教えてくださるとうれしいです。ご参考になれば幸いです。
今後ともよろしくお願いします。
はじめまして。コメントありがとうございます。いつも見てくださってうれしいです。
私は日本では、神保町の内山書店と東方書店で買っています。
http://www.uchiyama-shoten.co.jp/
http://www.toho-shoten.co.jp/
書店での品揃えは内山書店の方が、小説は特に充実していると思います。
読破レースを開始してから読んだ本のほとんどは、去年の9月に上海へ行って買ってきたものです。24冊まとめ買いしました。やはり、現地の方がタイムリーにベストセラーも出ますので、定期的に買いに行くのがいいのかな、と思います。でも金銭的に厳しくて私はできていません。
最近は内山書店で買うことが多いです。中国語の原書を扱うサイトもあるようなのですが、私は使ったことがないのです。もし良いところありましたら教えてくださるとうれしいです。ご参考になれば幸いです。
今後ともよろしくお願いします。
♠ 小説の朗読のMP3
数年前に北京に出張した際に書店で、「北京鸿达以太文化发展有限公司、家佳听书馆有声读物」のシリーズで海岩の小説が数編入っているのを購入しました。
その会社のHPを見たところ今でも販売していますね。http://www.homestar.com.cn/homestar/pcontent.asp?id=462
同じHP内で小説1篇ずつバラ売りもされています。
その会社のHPを見たところ今でも販売していますね。http://www.homestar.com.cn/homestar/pcontent.asp?id=462
同じHP内で小説1篇ずつバラ売りもされています。
♥ Re:小説の朗読のMP3
ぶぶたさん
こんばんは!
良い情報を教えてくださってありがとうございます!
音声が手に入る他、バラ売りもされているとはすばらしいですね。
週末にじっくり紹介頂いたURLを見てみます。
またお勧め情報がありましたら、是非教えてください。
よろしくお願いします(^0^)
こんばんは!
良い情報を教えてくださってありがとうございます!
音声が手に入る他、バラ売りもされているとはすばらしいですね。
週末にじっくり紹介頂いたURLを見てみます。
またお勧め情報がありましたら、是非教えてください。
よろしくお願いします(^0^)
♠ 無題
私が中国語書籍を買うのは主に『書虫』ですね。
http://www.frelax.com/sc/
ここは値段も安いですし、品揃えも豊富です。また目録にない本を中国アマゾンのページを指定して注文したら、それも購入できました。中国アマゾンで品切れになっている本も、たびたび購入できましたので、中国大陸にかなりのネットワークを持っているように感じます。
http://www.frelax.com/sc/
ここは値段も安いですし、品揃えも豊富です。また目録にない本を中国アマゾンのページを指定して注文したら、それも購入できました。中国アマゾンで品切れになっている本も、たびたび購入できましたので、中国大陸にかなりのネットワークを持っているように感じます。
♥ Re:無題
akiraさん
コメントありがとうございます。
そうでした、『書虫』が私が聞いたことのあるサイトでした。
akiraさんはネットでも原書を買われるのですね。私は中身を見たいために、これまで書店で買ってきました。買うことが決まっている本だったら、こちらのサイトからの購入がお手軽ですね。
情報ありがとうございました(^0^)
コメントありがとうございます。
そうでした、『書虫』が私が聞いたことのあるサイトでした。
akiraさんはネットでも原書を買われるのですね。私は中身を見たいために、これまで書店で買ってきました。買うことが決まっている本だったら、こちらのサイトからの購入がお手軽ですね。
情報ありがとうございました(^0^)